「そーいや、まだ翔希君寝込んでるんだって?」
涼花が思い出したように言う。
翔希君、まだ微熱があるらしくて、休んでるみたいなんだよね……。
「そうみたいだね。無理したから悪化しちゃったのかもね……大丈夫かな……」
「ふふ、由愛、翔希君のこと心配?」
にやにやしながら聞いてくる。
「そ、そんなワケないじゃん!!」
わ、私は心配じゃなくて呆れてるだけだもん!!
「そんな意地張らなくてもいいのに……」
「い、意地張ってなんかないよっ」
あんな悪魔みたいな人、誰が心配なんて……。
「私の恋を邪魔しようとするような人、心配しないもん!」
「はいはい、翔希君かわいそうに……」
涼花は弁当を食べ終え、呆れたようにカバンに弁当をしまった。
どこがかわいそうなのよ!
むしろ、いい気味って感じだしっ。