「そっか、ならよかった」


大希君の笑顔が少し曇っているように見えた。


大希君……本当にごめん。
大希君に言ったら大希君が私から余計離れていっちゃいそうで嫌だから……。


「はーい、ちょっと遅れてごめんね!授業始めまーす!」


少し遅れて担当の先生が入ってきた。


「じゃ、またあとで」


「う、うん!」


大希君……いつもなら授業中話そうとしてくれるのになぁ……。


……って私、なに自惚れてんだろッ!


授業中なんだから喋らないのが普通だもんね!


よし、私も集中しなきゃッ!