9月上旬の少しまだ暑いある朝―――




「涼花~……今日も大希君と喋れるかな……」


私はそんなことをぼやく。


「どーせ、あっちから話しかけてくるでしょ」


「もうっ!涼花ってば冷たいなぁ!」


「だって毎日あっちから話しかけてきてるじゃない?なにか進展があったんなら、喜んで聞くけど♪」



私、相川由愛。
現役高校1年生です!

そして小学校からの親友の佐倉涼花(さくらすずか)。
気が強くて頼りがいがあって、お姉ちゃんみたいな存在。


「もう、涼花ってばぁ………」


涼花は何らかの面白い展開がないと、話を聞いてくれない。



キーンコーン―――


「じゃ、また後でね」


授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った。


私は自分の席へ着く。


「相川」


隣から名前を呼ばれビクンと反応する。


「ひ、大希君!!!」


私の隣の席の平岡大希君。
爽やかで優しくてかっこよくて……。
喋っているだけでドキドキして…私はいつの間にか大希君が好きになっていたのです。