9月。 もう暦の上では すっかり秋なのに、 夏服の袖をなびかせる 風の中には まだ真夏のぬるさだとか、 肌にはりつくような 湿気が残っている。 こうやって窓際で風を感じていると、 髪がさらさらと頬をなでて、 とても気持ちいい。 あたし、時田桜。 高校2年生、16歳。 市内の公立高校に通う ごく普通の女子高生。 ただ周りの子達と違う所といえば...