「愛里、乃愛に似てきたよな」 『乃愛』。 俺が2歳の頃に交通事故で亡くなった母さんだ。 「俺は母さんの顔をあんまり覚えてないゆえ 存じませぬ」 「………そうだよなぁー…」 でも写真はよく知ってる。 10年以上、変わらない父さんのケータイの壁紙は母さんだ。 「乃愛も一時期 黒髪ショートだったなー…」 俺にはあんまり母さんの記憶がない。 車で出かけて、目が覚めたら母さんはもういなかった。 愛里と2人でよく星に手を振った。