俺の腕に腕を絡めて愛里にペコペコお辞儀するこいつ。 「久しぶりだね、疾風くん」 村岡疾風。 母さんのいとこの息子だ。 「相変わらず新はええ男やし 同じクラスやし」 「なに」 「俺、授業中鼻血決定やわ」 「キモイ」 こいつはどうやら俺が好きらしい。 うちの親族にはろくなもんがいねぇな。 「新、もう大丈夫?」 「え、あ、あぁ…」 疾風いるしな! キモいけど! 「じゃ、あたしもう行くね」