桜も散った今日この頃、私は今東京のホテルの会議室にいる。 そう、例の脚本コンテストの表彰式だ。 私の脚本は、新人応援賞という賞をとった。 賞金は百万円とドラマ化。 脚本家にとってドラマ化ほど嬉しいことはない。 「宮村こずはさん」 コンテストの主催が私の名前を呼ぶ。 少し震えた手で賞状を受け取る。 賞状には私の名前が誇らしげに書かれていた。