大人の純愛宣言

社長の顔が見れない。
「もう帰って…」と社長に背を向けた。


「分かった…」そう言って、玄関の扉がパタンと閉まる音がした。これで良い…。そう思ったのに、何だか涙が出ていた。「おかしいな、自分でこういう結果にしたくせに。」と泣き笑いしてしまった。

ティッシュで鼻水を豪快にかんで、涙をふいていると

ガチャンと扉があく音とともに、社長が走って入ってきた。開いた口が塞がらないとはこういうことかと思っていると、

「俺が27。大井とは7歳差だ!だから、何だよ!?傷つくことなんか考えるな、傷つけたりしない。俺を信じろ、ばか!!」

「ちょっと…バカとは何よ!私だって幸せになりたいんだもん。怖いよ、こんなの!」

「俺が幸せにしてやる!どうせ、言葉で言っても信じられないなら、俺がいなきゃダメだって離れられないくらいまで、大井にべったりつきまとってやる!
」と笑っている、社長。社長の笑顔が可愛すぎて…まったくもうと笑ってしまって…二人で笑いあってしまった。

それから私は、社長と付き合うことにした。





社長と私は、あれから毎日のように喧嘩したり仲直りしたりしている。いつか別れがくるかもと思うこともある。でも恐れることはやめた。それより毎日毎日を大切にして、前を向きたいから。



毎日見ている光景も、気持ち良い夜風も…二度と同じものはない。自然も人間も、変わりながら生きていく。

だからこそ、傷つくことを恐れて一歩も踏み出せないのはもったいない。




「裕子、そろそろ結婚しない?」




第二話 裕子と朝陽の場合 〈完〉