なに、言ってんのこいつ。
なんでこんなまっすぐに、「すき」とか言ってんだよ。
こんなの、こんなふうに目の前で人からストレートに好意を言葉にされるのなんて、初めてだ。
「……あっそ」
「『あっそ』ってなんですかそれぇ~」
そっけない俺の一言に、天然女はぷく、と頬をふくらませる。
だけど俺はきっと赤くなっているであろう自分の顔を見られないように、わざと顔をそらして歩いた。
くそ、……熱ぃ。
それから変わらず天然女はしゃべりっぱなしだった数分後、T字路になっているところでそいつが立ち止まった。
だいぶ顔の熱がおさまっていた俺は、くるりと振り返ったそいつを見返す。
「あたし寄るところがあるので、ここで失礼しますねっ」
「あー」
「それじゃあせんぱい、ありがとうございました! また明日!」
にっこり、という擬音が似合うような笑顔で、天然女はそう言った。
“また明日”。
ということはつまり、また明日もこいつは、教室なりなんなり俺のところへ来るということで。
「あー……また、明日」
決して視線は合わせないままに、それでもはっきりと、俺は返した。
それを聞いたそいつは、またうれしそうに、笑う。
「はい! また、明日!」
なんでこんなまっすぐに、「すき」とか言ってんだよ。
こんなの、こんなふうに目の前で人からストレートに好意を言葉にされるのなんて、初めてだ。
「……あっそ」
「『あっそ』ってなんですかそれぇ~」
そっけない俺の一言に、天然女はぷく、と頬をふくらませる。
だけど俺はきっと赤くなっているであろう自分の顔を見られないように、わざと顔をそらして歩いた。
くそ、……熱ぃ。
それから変わらず天然女はしゃべりっぱなしだった数分後、T字路になっているところでそいつが立ち止まった。
だいぶ顔の熱がおさまっていた俺は、くるりと振り返ったそいつを見返す。
「あたし寄るところがあるので、ここで失礼しますねっ」
「あー」
「それじゃあせんぱい、ありがとうございました! また明日!」
にっこり、という擬音が似合うような笑顔で、天然女はそう言った。
“また明日”。
ということはつまり、また明日もこいつは、教室なりなんなり俺のところへ来るということで。
「あー……また、明日」
決して視線は合わせないままに、それでもはっきりと、俺は返した。
それを聞いたそいつは、またうれしそうに、笑う。
「はい! また、明日!」



