「う~痛かったです……」
「自業自得だっつの。いつもやめろっつってんのに、人のことかわいい呼ばわりしやがって」
「だってほんとのことだし……せんぱいツンデレだからほんとは言ってほしいのかなって」
「オイ」
聞き捨てならないせりふに、すかさず今度は右頬だけを引っぱる。
痛い痛いと言いながらもその口がまた別の言葉を吐き出そうとしているのに気づいて、俺は再び手を放した。
「う~……それにですね、」
「それに?」
あきらめたように、ほとんど投げやりな口調で促す俺。
しかし対する天然女は自分の頬をさすりながらも、予想外のせりふを返してきた。
「それに今のほうが他の人から高原せんぱいのことを聞いてただけの頃よりも、キツいこと言われたって嫌な顔されたって、もっとちゃんと本物のせんぱいを知れるから」
だから、全然嫌なんかじゃないです、とそいつはへにゃりと笑った。
その表情と、そしてつい今しがた言われた言葉が頭の中で反響して、なぜかぐ、と息がつまる。
「……物好き」
「えへへー。いいですよ~なんて言われたって。そんな高原せんぱいも、あたしはすきですっ」
「ッ、」
「うはー照れますねっ」
「自業自得だっつの。いつもやめろっつってんのに、人のことかわいい呼ばわりしやがって」
「だってほんとのことだし……せんぱいツンデレだからほんとは言ってほしいのかなって」
「オイ」
聞き捨てならないせりふに、すかさず今度は右頬だけを引っぱる。
痛い痛いと言いながらもその口がまた別の言葉を吐き出そうとしているのに気づいて、俺は再び手を放した。
「う~……それにですね、」
「それに?」
あきらめたように、ほとんど投げやりな口調で促す俺。
しかし対する天然女は自分の頬をさすりながらも、予想外のせりふを返してきた。
「それに今のほうが他の人から高原せんぱいのことを聞いてただけの頃よりも、キツいこと言われたって嫌な顔されたって、もっとちゃんと本物のせんぱいを知れるから」
だから、全然嫌なんかじゃないです、とそいつはへにゃりと笑った。
その表情と、そしてつい今しがた言われた言葉が頭の中で反響して、なぜかぐ、と息がつまる。
「……物好き」
「えへへー。いいですよ~なんて言われたって。そんな高原せんぱいも、あたしはすきですっ」
「ッ、」
「うはー照れますねっ」



