「そろそろ花火始まるから場所移動しようぜ」 「あ、うん」 スタスタ先を行くハルの背中を追いかける。 さっきまで繋がれていた手は今は繋がれていない。 そんなことになぜかホッとする。 「どこまで行くの?」 ハルはどんどんひと気がない方へ歩いて、真っ暗な中を突き進んで行く。 本当にこんなところから花火が見えるの? 「裏手に穴場があんだよ」 「へえ、そうなの?毎年来てるけど行ったことないや」 屋台が並ぶ一角から大分離れた場所まで来ると、ハルはピタッと足を止めて後ろを振り返った。