世界が終わるって言うくらい

嫌なことがあるって言うのか?


世界が終わるって言うくらい

辛いことがあるのか?


それならどうして僕のもとへ来たんだ?


それが聞きたい……どうしても聞きたかった。

でも僕の聞いたのは信じたくない現実だった。


「俺が幼い頃に引っ越したのは
親の会社が倒産したからなんだ…。」


「えっ…!?」


「その引っ越し先で出会ったのが玲美。
両親揃っての有名会社の社長だった。つまり、
俺は玲美のお陰でこの町に戻ってこれたんだ。」


日向はベンチに座ったまま傘を手放した。