「これ…7月30日?」 井上さんがチラシを見て嬉しそうに微笑んだ。 「うん。そこの祭りさ、桜祭りって 言うんだ。変だろ?夏なのに桜って…。」 僕がそう言うと『確かに!』という顔をして、 井上さんは僕の方をじっと見つめてきた。 「何で桜なの?」 「うん。ほら…、桜って春にしか咲かないだろ?」 「えぇ。」 「そして、夏になれば葉になってしまう。 」 まるで今の井上さんの様だ…。 そう思ったのは僕だけだろうか。 でも、又春になれば桜が咲く。