「もう…離さないから。」


そう静かに、アタシの耳元で囁いた。

アタシは無表情のまま、そっと雄星から離れた。


「行こ?雄星。」


ごめん、今はそういう気分じゃないんだ。

アタシは雄星の手を握って歩きだした。


雄星はアタシの態度に何かを察したのか

なにも言わずアタシの後をついて歩いてた。



そして、雄星の家に着いた。


アタシは家の中に入れてもらって

雄星の部屋のベッドにストンと座った。


勉強机にはアタシたちの幼い記憶、

あの3人の笑い合う写真が飾られていた。


「ねぇ、雄星?」