「玲美…?」


俺は思わず玲美の方を見つめた。


「ひゅー、12年前だって、昨日なんだよ?」


「……えっ?」


「あの子と出会ったのは5歳の時でしょ?」


「あ…あぁ…。」



春の暖かい日差しを浴びて…

花畑を駆けていったあの頃の記憶。



タンポポの花が綺麗に咲いてた。

『雑草だ』って嫌われもののタンポポが

ハルタの笑顔によって綺麗に見えた。



「確かに昨日の話のように思うな…。」


俺は下を向いて小さく笑った。


俺の手には幼い頃に撮った

ハルタとゆーと俺が写った写真。


幼すぎる記憶が可愛らしく思える。