「悪りーな。亜美の相手してもらって。」


「ううん。あたしもなんか勉強なったし。」


雨はすっかりやんで今では、月が顔を出している。


「送ってくわ。」


「家すぐそこじゃん。」


悠宇の家とあたしの家は同じ列の住宅街なのだ。


「危ないじゃん?」


「どこが?・・・ははっ急にそんな扱いしないでよね。前まではほったらかしだったくせに。」


「それは・・・元が美和送ってくから。」


あたしは反射的に悠宇の顔を見つめた。

そして、あたしは慌てて前を向く。



「・・・冷血王子がさ・・・元と重なって見えるの。」


「冷血王子?あ、とものこと?」


「うん・・・。」