いつの間にか、足は『海の夕日』に向かっていて・・・
あたしは辺りを見渡した。
・・・今日は冷血王子居ないみたいだ。
少し安心している自分がいる。
涙を流しているあたしを見られずに済む。
今日は夕日どころか曇っていて海が綺麗に見えない。
まるで、あたしの心を映し出しているようだ。
「アイツも今泣いてるのかな・・・
どうしてあたしの前から消えちゃったの?逢いにくるって行ったじゃない。どうして、どうして・・・何で約束破るのよ!!」
あたしは思い切り柵を蹴った。
その衝動であたしの涙は海へと消えて行った。
アイツのように、元のようにーーーー
何回涙を流せば、逢いにきてくれる?
何回君を想えば、逢いにきてくれる?
君には見えて、あたしには見えない。
思ってたより簡単だった。
あなたを失うということ。
あのとき、ちゃんと君に伝えていたら・・・
君は・・・
君は・・・
「・・・バカっ、アホっ、逢いに来るって言ったじゃんか・・・」
とうとう、あたしは泣き崩れ地面にふせいでしまった。
「・・・また、泣いてんの?」

