その名前を聞いた瞬間
あたしは凍り付いたように動けなくなって最近よく見る夢がフラッシュバックされた。
「外国からスカウトされたんだよね!でも、可哀想だよねー。丁度一ヶ月前?三月に事故で亡くなっ・・・」
「桃香っ!!」
桃香の口を抑えたのはニナ。
「あ、ごめん・・・美和。」
桃香はシュンとした表情であたしに頭を下げた。
「あはは〜ヤダ何この空気?シリアス〜?それ一ヶ月前だったんだ〜。もう一年くらい経った気分だよ。それに、あたしの彼氏じゃないし〜あははただの幼なじみだよ!」
あたしはあえて明るく振舞った。
「・・・美和。」
事情をよく知っているニナはいつもあたしに気を使ってくれている。
「あー!もうこの話やめよ!あっ!この前行けなかったカラオケ今日行こうよ!!ねっ?」
「美和・・・」
あたしのおかしな対応を見た麻央も何か言いたげで・・・
「5時間目は体育だぞー早く着替えて男子は体育館、女子は運動場だぞー。」
丁度いいところに先生が来てくれてこの話は終了となった。

