「さっきの人誰?」
「あ〜いや、通りすがりの人?桃香達待ってるから早く行こっ!」
あたしはニナの腕を引き教室に向かった。
「え?桃香もう食べ終わったの?」
教室に着くと、もう桃香は弁当を片付けていた。
「んー。だってお腹減ってたんだもん!」
麻央はというと教材片手にパンをかじっていた。
塾のテストとかで忙しいらしい。
「ねぇねぇ!王子様の新情報入ったよ!」
桃香はあたし達に顔を寄せそう言った。
「新情報?なにー?」
あたしはカレーパンの袋を開け桃香を見た。
「美和、あんたまたカレーパン?」
麻央はあたしが食べようとしているカレーパンを指してそう言った。
「いいじゃん!好きなんだから!」
あたしは大きくカレーパンを丸かじりした。
「んで、新情報って?」
あたしは横目に男子の輪で笑っている冷血王子を見た。

