「ギャっ誰よ!?」
あたしは慌てて腕を振りほどいた。
「んだよ、その色気のねー声は。」
あたしの目の前には金髪で着崩した制服・・・
「何よ?学級委員長がこのあたしに用でも?」
そう、あたしの腕を引っ張ったのは緒形だった。
「んな怒んなよー。可愛い顔が台無しだぞー?」
いかにも見下している言い方。
「そりゃ、いきませんなー。可愛い顔ですもんね!!で、用は?無いんならニナ待ってるから!」
「そう!それ!ニナちゃん!可愛いよな〜彼氏いんの?お前仲いいから知ってるだろ?」
何よコイツ。ニナ目当てな訳!?
「そんなの言う訳ないでしょ!ってか委員長に立候補したのもニナ目当て!?」
「そーだよー。他に何があんの?」
コイツ、サイテーだ。
「んで、彼氏いるの?いないんならオレどう?」
緒形は口角を上げにっこりと笑った。
確かに、カッコいいけど、コイツはサイテーなんだ。
「は?何言ってんの?あんたは忘れたか知らないけどね!一年のときあんたを友達に紹介したらすぐに捨てられたんだよ?そんなチャラチャラしたあんたがニナの男?ふざけんなっ!」

