「ふーん。しかも俺その飛行機乗ってねぇし。バカかお前は」



「えっ!嘘!え、恥ずかしい…今から乗るの?」



「…ん。だからちょっとしかお前の声聞けねぇけど。」




「あたしは…う、嬉しい、よ?伊月の声聞けて……でも、今すぐ会いたくなっちゃったな」


顔を赤らめているアイツの姿が目に浮かぶ。

何、可愛いこと言ってんだよ。
そんなこと言われたら行きたくなくなるだろ。

俺だってな、今すぐ会いてぇわバカ。



「今さっきのメールのヤツ言え。」



「……メールのやつ?」



「……大好きってヤツ。今ここで言え。」



すると、電話がキレたかのように何も聞こえなくなった。



「……え、ちょ、直接?む、ムリだよ恥ずかしい」



「へぇ〜言わないんだったら無理矢理お前も外国連れてく」



すると、少しの間があってから……



「そ、その方が伊月とい、一緒にいれるからいいよ。」



なんて言われたら抱きしめたくなる。


お前ほんとバカだな。


そう言おうとしたが




「……伊月、大好きだよ。」



その甘く優しい声に口を噤んだ。