悠宇か誰か先に来ていたんだろう。



あたしはしゃがみこんでそのお花の隣に持ってきたお花を供えた。



そして、綺麗なお墓を見つめた。



「ねぇ、見てたんでしょ?ずっと……」



あたし、今までどんな顔してた?

元がいなくなってからずっと人前では泣かなかったよ。

ちゃんと笑えてた?



ううん。

わかってたよね。元なら。


あたしの意地っ張りな性格に。



「……元がいなくなってからあたし、どうしたらいいのかわからなかった。」



ずっと隣にいたんだよ。

昔からずっと。


これからも、元と悠宇

三人でこれからもずっと一緒にいると思ってたから……



「何で急にいなくなるのって、何であたしをおいていくのって……あの場所でずっと泣いてた。」



『海の夕日』


あの場所はあたしと元の二人だけの場所


だけど……いつの間にか、一人になってた。