そのとき、あたしの頭に浮かんだあのセリフ。


シンデレラにはなれないと、決めつけていたあのとき。

でも、伊月が伊月が勇気をくれた。



あたしは決心して伊月の目を見つめた。




「……もう逢えないかと思った。
私はあなたに……伊月に出逢った瞬間恋に落ちました────」



すると、伊月は目を細めた。

はぁ?といった表情であたしを見つめる。


もうこれしか、伝える術がない……!


あたしはあのときのシンデレラを思い出して口にした。



「これは、偶然なんかじゃなくて
……これは“運命”なんだと。この広い世界でたった一人あなたに出逢えた。
……信じてもいいですか?……あなたとの未来を────」



あたしは怖くなって目を閉じた。


すると、少し間があった後にクックッと
笑い声がした。