「早く行けよ。あいつ、多分あの場所にいるぞ。」




「悠宇……ごめんね、あたしっ!」



「わかってたから。俺じゃダメなことぐらい。……せめてはさ、好きなやつに幸せになってほしいから…」



俯いてそう言った悠宇。

なんで、いつもこんなに優しいの…



「ありがとっ……いつも助けてもらって……あたしっ、あたし……悠宇に今までしてあげられたことあったかな?」



すると、悠宇はふっと笑った。



「お前がいるだけでよかったよ。…美和がいてくれて……ほんとよかった。」


そんなこと言われたら泣くよ……



「ほら、さっさと行け!……頑張れよ」



遠くまで手を降ってくれる、ニナと悠宇。


あたしはこんなにも温かくて優しい仲間がいたことに改めて感動した。




あたしは、無我夢中で走った。


あの場所に……
あいつとあたしの


思い出の場所に────。