「ん。寝てた。」
なんて、ワザとあくびなんかしてあたしを見た。
まるで、あたしがここに来るって知っていたかのようだ……
「寝てたって……そんなバカいないでしょ。風邪ひくよ?ってか、死ぬよ。」
「うるせ。…お前結局一人かよ」
ふぁ〜っと嘘くさいあくびをして起き上がる伊月。
「一人じゃないし!…お、おか…お母さんとクリスマスするんだもん!さっき買い出し行ってきたもん!」
「ふーん。で、一人でパーティしようとしてたわけか。」
ふーん。と伊月はあたしから離れた場所の柵に腕をおいた。
「なっ。ちが、ちがうよ!!そんなことするわけないでしょ!」
図星をつかれてあたふたするあたしを横目にふっと伊月は笑ったと思ったら真剣な顔つきに変わった。
「嘘つくんじゃねーよ。」
「……嘘じゃ、ないよ。」
真剣味な伊月の瞳を見ていられずあたし目をは逸らした。
「嘘つくな。」
「嘘じゃない。」
なんなのよ……
ずっと目を逸らして顔を背けているあたしの頬を伊月は両手ではさむと上にグイッと向けられた。

