『海の夕日』
気づけばここに来ていた。
そして、いつものように叫ぶ。
「バカーーー。どこが王子様じゃ!全然元になんか似てないからなー!何が冷血だ?ちょっと女子達からチヤホヤされるからって調子乗んな!!」
はぁ、はぁ・・・スッキリした。
あたしはここでいつもたまっていることを声に出して叫ぶ。
冷血王子様・・・性格は違うくても、認めたくなくても、似てる。
あたしの大切な人に。
「・・・もと、逢いたいよ。どうして、あたしをおいてったの?」
果てしなく続く水平線。
キラキラと太陽に照らされ光る海。
あの日君はあたしに何を伝えようとしたの?
ねぇ、もう一度でいいから。
逢いたい。逢いたい。
「・・・逢いたいよーーー。」
「近所迷惑なんですけど、?」
背後から低い声が聞こえあたしは慌てて振り返る。
「ーーーーもと・・・じゃなくて、」
冷血王子!?

