「あたしもパスで・・・」
「えーぇ。しょうがないなー。また今度ね。」
桃香は頬を膨らませ麻央と教室から出て行った。
「帰ろっか?」
ニナが少し困ったように笑うと鞄を持った。
「うん、帰ろー。お腹すいたよー。」
あたし達は昇降口を抜けた。
「ニナちゃり?」
「そうだよ?美和自転車じゃないの?」
「今日は色々ありまして・・・」
「・・・いいよ、早く乗りな」
「ニナありがとー!さすがっ!」
あたしは自転車の荷台に座った。
春の風か優しくあたし達にあたる。
あー、春だなーって実感させられる。
「ねー、美和?さっき王子様と仲良く喋ってたね?」

