何もしゃべらないまま二人山道を歩く。
「な、なんか……喋ってよ。」
なんで、無言なわけ?逆に怖いよ……
も、もしかして……隙を狙って後ろから襲ってきたりして……うん。緒形ならやりかねないな。
「お、緒形あんた変なことしたら……」
「気になる?あの二人何話してたとか。」
「……え?」
意味がわからなくて息詰まる。
「気になんねーの?……オレは気になるけど」
「あ、あたしは別に。」
気にならないって言ったら嘘になるけど……別に気にしてなんかいない。
「んー。あっそ。」
……ってか、何この会話
「お、おが……緒形はニナのこと好きだもんね。」
そう口から咄嗟にでた言葉。
緒形は後ろからあたしの腕をつかんだ。
「……妬いてんの?」
そう、不適に笑う緒形。
「なっ!そそ、そんなわけないでしょ!」
あたしは慌てて腕を振り払って前に進む。

