「ねぇ、美和。ここさ、出るんだよ。」 「なにが?」 「幽霊。」 「……ゆう…れ、い?」 温かいはずの温泉が一瞬冷たくなった気がした。 「この辺、霊園多いでしょ?たぶん出るよ。」 「ちょっ!昨日はそんなこと言ってなかったじゃん!!きょ、今日寝れないよぉ〜」 「ごめんごめん、今思い出してさ。」 思い出しても言うなよー。 そのあと温泉を出たけど、ご飯を食べてるときも部屋にいるときもニナの話を忘れることができなかった。