「あ、あのときは……伊月が迎えに来てくれて……」


「アイツの家に……泊まったのか?」


抱きしめられていて悠宇の表情が全くわからない。


「う、うん。…あ、でも何にもないよ。
お姉さんもいたし。……心配かけてごめん。」


「………ってる。」


「え……?」


「怒ってる。お前に。」


「ご、ごめん……電話掛け直さなくて…」

「違う。……違う。お前が俺を頼らなかったから怒ってる。なんで、アイツの家に……」


悠宇の声色はいつもと違った。


「……だって、悠宇にはいつも迷惑かけてるし……言いにくかったの…」


悠宇はあたしゆっくり離すとあたしの目を見た。


「迷惑ってそんな……」