「教えてやるから、座れ。」
「え?あ、あたし医療なんて……」
あたしはたじろぎながら伊月の隣りに座る
「は?違げーわ。明日のテスト。お前赤点で夏の強化合宿決定だぞ?」
「だ、大丈夫だもん!40点取ったらいいんでしょ」
「やっぱりお前バカだな。…いいからこれやれ。」
そう言って渡されたのは理数系の問題集。
あたしが最も嫌いな分野だ。
「見てやるから、やれ。」
「しょ、しょうがないわね……」
なんて言ったけど……
「全然わかんない。」
伊月はあたしから問題集を奪うと急に笑い出した。
「こんな簡単な計算も出来ねーやつがよく大丈夫とか言えたな」
伊月は散々と笑ってあたしをバカ呼ばわりした。

