お風呂から上がると、リビングからいい匂いがした。
「何これ……伊月が作ったの!?」
テーブルには美味しそうな食事が。
「当たり前だ。俺もこれぐらい作れる。」
食べてみてわかった。
あ、あたし負けたと。
あたしも人並みに料理はできるけど伊月の方が断然上手で美味しかった。
「何から、何まで申し訳ありませーん」
「……お前、その格好で申し訳ないなんてよく言えるな……」
食後、テンションの上がったあたしはソファーに寝そべってすっかりリラックスしていた。
「だってぇ、料理美味しかったしー、お風呂も夜景みれるしー、もーサイコー!!」
「お前、酒飲んだのか?」
なんて、伊月が真顔で言うから笑ってしまった。
「やだなー。あたしお酒強いよ?」
こう見えて、リラックスしてるつもりだけど本当はものすごく緊張していた。
伊月はやれやれと1人がけのソファーに座った。

