「……伊月、どうしてここ」
走ってきたらしく、伊月の息は少し弾んでいた。
「悠宇の家の近くって知ってたから。」
だからってどうしてここに来たの?
悠宇の電話が繋がったらしく、悠宇が電話に出た。
「……もしもし、美和?」
「あ、悠宇……あのねーーー……」
すると、伊月があたしの携帯を奪った。
「何にもねーから。」
と、伊月は悠宇にそう告げると電話を切った。
「ちょ、何するの!?」
「は?行くぞ。」
あたしの腕を掴み歩きだす伊月。
伊月の行動があたしには全く理解できない。
「ちょっと!どこ行くの!?」
「俺の家に決まってるだろ。」

