「ば、バカって……そ、そうだけどさ。もっと心配するとかーーー……」
「どこ居んだよ。」
「……え?家の前…だけど」
すると、ブチっと音がして電話が切れた。
何よ、アイツ!!
心配の一つや二つないの?
それをバカって?
確かに、鍵を忘れたあたしがバカだけど……
あれから数分経ち疲れ切ったあたしは家の前にしゃがみこんだ。
しょうがない、悠宇に自分から頼もうと電話をかけたときあたしの方向に走ってくる人が見えた。
やがて、あたしの前にたどり着いた君は電話と同じことを言った。
「……お前、ほんとバカだな。」

