あたしは棒立ちで立ち尽くし
気づけば懐かしい名前を口走っていた。
嘘でしょ?
元とそっくり・・・ってか、瓜二つだ。
茶髪に切れ目の長い二重まぶた、あの口角、細っそりした体格なのにしっかり筋肉がついていて・・・嘘でしょ?アイツに似ている。
あたしは終始見惚れていた。
というか、目を離せなかった。
ニナがあたしに駆け寄る。
「美和、やけに元くんに似てない?」
ニナも同じことを思っていたらしい。
「・・・顔と身体はね。でも、元じゃないよ。」
そのとき、先生が入って来た。
「はい、お前らー、今から始業式だ。とりあえず名前順に席につけ!」
そう言って教室に入って来たのは、いかにも体育会系なゴリマッチョな男の先生。
あたしは黒板に貼ってある席順表を見る。
名前順だよね・・・ってことは
蒼井だから一番前!?
憂鬱な気持ちで席についたーーーのだけど・・・

