思った通り、香穂ちゃんは涙を流していた。
あたしの存在に気付いた彼女は慌てて涙を拭った。
「あ、あなたは……えんぴつ、ちゃん」
「あ、蒼井……美和です」
そう言うと、香穂ちゃんは少し笑って知ってます。と言った。
あたしも並ぶようにして階段に座った。
「もしかして……見られてた?」
「え?……あ、いや。内容まではわからないけど……」
「ともがいつもあなたの……美和ちゃんの話をするんです。」
あたしは一瞬意味がわからなかった。
「ともは昔に比べてよく笑ってくれるようになりました。それは……美和ちゃんのおかげ?」
「そ、そんなことはないと……思います」
だって、怒られてばっかりだったし。
嫌われてるんじゃないかとも思った。
「美和ちゃんがともを変えてくれたんだね。ありがとう。」
香穂ちゃんはあたしに向かって深々と頭を下げた。
「あ、あたしは何も……」
顔を上げた香穂ちゃんは笑顔で、でもどこか悲しそうな表情だった。
「私たち、別れたんです。」

