伊月とその彼女、香穂ちゃんは何やら真剣な顔で話し合っていた。
「別れ話。かね?」
ふと上からそう聞こえた。
「そ、そんなわけないでしょ。」
あんなにお似合いなんだもん。
どこから見ても、誰が見ても美男美女。
別れる理由が何一つ無い。
「わかんねーよ?男と女は。何があるかなんて。」
そんな意味深い言葉を緒形は残した。
少し経つと、どうやら話が終わったようで伊月が昇降口に向かって行った。
「おっ、終わったみたいだな。」
香穂ちゃんを見ると階段に座り込んだまま顔を伏せ動かない。
「あたし、様子見てくる。緒形は先帰ってて!」
「おい!まじで別れ話だったらどーすんだよ。今は一人にさせろ。」
何よ、緒形のくせにもっともなこと言って。
「分かってる、分かってるけど……ほっとけないの!」
あたしは緒形を取り残して階段先まで走った。

