「あ、あたしだってあんたみたいに喋れる男友達なんて緒形ぐらいよ。」
「お、まじかよ。オレら相思相愛?」
緒形はそう言うと、あたしをギューっと後ろから抱きしめた。
「は!?あんた何してんの。離せバカ!」
「いいじゃーん。今日くらい?」
何が今日くらいよ!
ぶん殴るわよ!
と言ってやろうと思ったが、緒形があたしの口を手で抑え、あまりにもキツく抱きしめるもんだから驚いて何も言えなくなった。
「……んん、ちょ……ちょっと」
「し!静かに!」
緒形の視線の先には階段先で話し込んでいる男女がいた。
「トモ……と香穂ちゃん」
緒形はそう言うと、手で抑えていたあたしの口を開放した。
やっと開放されたあたしは少し息が弾んでいた。
そんなあたしを見て緒形はニヤリと不適に微笑んだ。
「ん、何?オレに何かされると思った?」
「……あんたね、まじでどつくよ。」
そんなあたしの怒りを察したのか緒形はごめん、ごめんと心ない謝罪をした。

