あたしの方を見たかと思えば、すぐにあたしから目をそらした。
少しの沈黙があった後、伊月は静かに口を開いた。
「……別に、お前を助けたわけじゃねーよ。」
小さくそう呟いた君。
やっぱりどこか遠い目をしていた。
心ここに在らずって感じだ。
「い、伊月がそう思ってても助けてもらった事実は変わらない……。」
伊月はただ地平線を見つめるばかり。
でも、あたしは続けた。
「最初はただ憎たらしいヤツだって思ってた。いつも、あたしの確信をつくしそれがすごくムカついたし、悔しかった。でも、伊月の言ってたことは何一つ間違ってなかったのにあたしは酷い事ばっかり……」
すると、伊月がスッと立ち上がった。
「俺は溺れているヤツを助けただけだ。」

