電話を切った頃にはあたしは何だか疲れていた。
アイツの相手はしんどい。
辺りを見渡したが、二人はいる気配がなく夕日だけが沈もうとしていた。
このまま帰るのはなんだか嫌だったあたしは海の夕日に向かった。
海の夕日に着いたあたしは思わず絶句してしまった。
夕日が海に映りなんとも言えない美しさ。
いつもより輝いて見えた。
あの頃はこんな景色見ても、綺麗だなんて思わなかっただろう。
そう思わせてくれたのは、やっぱり伊月だった。
「ありがとうって……言えばよかった。」
沈んでいく夕日を見ていると急に寂しさに駆られてそんなことを呟いていた。
「誰にありがとうって……?」

