楽しそうに会話をする二人。 いつもは見られない伊月の笑顔に少しキュンとした自分がいた。 あたしに向けられた笑顔じゃないのに。 あんな笑顔を向けられて幸せなんだろうな。 気が抜けたその時、 ♪〜♪〜♪〜 住宅地にあたしの携帯の着信音が鳴り響いた。 もちろん、伊月と彼女は振り返った。 あたしは、しまった!と思い全速力で電信柱の影に。 多分、二人はあたしの存在に気づいてないだろう。 携帯のディスプレイに映し出されたのは知らない番号だった。 あたしは不快に思いながらも通話ボタンを押した。