「みんなっ、聞きたい?」
桃香は嬉しそうにあたし達に向かってそう聞いた。
「どうせ、桃香が聞いて欲しいんでしょ?」
ニナは桃香の頭に手をおいてポンポンと頭を軽く叩いた。
「ち、違うよ!・・・みんながそんなに聞きたいんなら話してあげてもいいよーー?」
クラスに1人はいるよね。
こうやって焦らすヤツ。
「わかったから桃香話して!」
あたしは痺れを切らし桃香にそう言った。
「しょうがないなー。美和が聞きたいって言うなら話してあげよう!」
桃香は自信満々に笑うとイスの上に乗った。
「あの、あのサッカー部でエースの王子様がうちのクラスなんだって!!」

