「振られちゃったぁー?」
そのとき、背後から聞き慣れた呑気な声が聞こえた。
「なっ……べ、別に振られたわけじゃ……って、告ってないし!!……緒形でしょ!タイムライン載せたの!!」
そう、あたしに声をかけたのは緒形だった。
相変わらず、腰パンに着崩した制服、チャラチャラとした装飾品……ってあんたも茶髪なのに怒られないわけ?
「んー?オレ?うん。載せたよーだって美和の一大事じゃん?」
どっからそんな情報流れんのよ。
ってか、どさくさに紛れて呼び捨て!?
「……え?なんで呼び捨てなわけ?あんたと仲良くなったつもりはないんですけど……。」
やっぱりコイツ苦手だ。ってか嫌い。
「んな、固いことゆうなよー。ニナちゃんのことなんだけどさ♪………お前、泣いてんの、?」
緒形にそう言われあたしは目に手をあてた。
黒っぽい水滴が手についた。
「な、泣いてないし!!」
「こっち向けよ。」
緒形は背を向けたあたしの肩を掴んで無理やり振り返させた。

