「隼斗、淳ちゃんと知り合いなの?」 役者のあたしは自然を装って聞く。 すると、隼斗はこくりと頷いた。 そして、 「俺は西高だったから」 とだけ答えた。 終いには、 「俺の話なんてどうでもいい。 美優が無事ならそれでいいんだ」 なんてまとめる始末。 あぁ、少しだけ隼斗に歩み寄れるかなぁと思ったのに、あたしたちの溝はまだまだ深いみたいだ。 隼斗は、自分のことを話さない。