「美優!!」 隼斗がいともたやすく淳ちゃんの手を振り切り、あたしの傍へと走り寄る。 そして、口元をぎゅつと結び、心配そうな顔であたしに聞く。 「美優、大丈夫?」 「うん、全然平気」 そう言って笑顔を作るつもりなのに激痛が襲ってきて。 あたしは再び顔を歪めて呻いた。 「肋骨にヒビだって。 橘がしっかりしねぇから」 隼斗の後ろから淳ちゃんが顔を覗かせる。 すると、隼斗はますます暗い顔になる。 隼斗が責任感じることなんてないのに。