怖くて顔を上げることが出来ない。
下を向いて震えるあたしの方に、一歩また一歩と近付く男たち。
立ち上がろうと足に力を入れるが、自分の足ではないかのように言うことを聞いてくれない。
やがて男の足が止まり……
あごにひやっとした手が触れる。
そのままぐいっと持ち上げられ、あたしの瞳が捉えたもの。
それは、ピアスだらけのスキンヘッドと、時代遅れのリーゼントだった。
奴らの目つきは明らかにおかしくて、高校生の不良とは比にならないほどの薄気味悪さを放っていて。
「どぉしたの?子猫ちゃん」
スキンヘッドはそう言って、あたしのブラウスに手をかけた……。



