「なぁ、美優。 どうしたら諦めてくれる?」 「え?」 「どうしたら、橘と別れてくれる?」 淳ちゃんはすがるようにあたしを見ていて。 普段人に助けを求めない淳ちゃんだけに、心が苦しくなる。 「あいつじゃ駄目なんだ…… 美優は幸せになれない」 胸が張り裂けそうになる。 分かってる。 隼斗は淳ちゃんを病院送りにした張本人だから。 そんな男を好きになっちゃ駄目なことくらい、理解している。