「隼斗、真面目なんだね」



思わずそう言うと、



「そう?……普通だよ」



そんな返事が返ってくる。





「一浪までしてせっかく受かったんだからさ。

単位は落とさないようにしないと」




そっか……。

隼斗は一浪しているんだ。

……てことは、淳ちゃんと同い年だよね。



深く納得するあたし。

隼斗が大人びて見えたのは、性格のせいだけではなかったんだ。






「まっ、俺は隼斗をカンペにするからいいけど」




翼はそう言って机に突っ伏す。

そんな翼に、



「翼には絶対見せない」



隼斗はいたずらっぽくそう言った。