「もういい」
目の前の金髪の冷たい声で我に返った。
見上げると、金髪は何の感情もない瞳で……そう、まるでゴミでも見るような瞳であたしを見下ろしていて。
その冷たさに、背筋を悪寒が駆け抜ける。
「てめぇに聞いたのが間違いだった」
金髪はそう言って踵を返す。
ビルの隙間を縫った冷たい風が、彼の長い襟足を翻していた。
凍るような視線から解放され、やっと身体の力が抜けたあたし。
惨めなあたしは、自分の身体を抱きしめながら震えていた。
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