「あたしは、淳ちゃんの彼女じゃない」




あたしの口から吐き出された言葉は、弱々しく震えている。





好きなのに。

……ずっと好きだったのに。

淳ちゃんはあたしじゃなきゃ駄目だと思っていたのに。



事実を受け入れようとすると、あたしが粉々に壊れてしまいそうだった。





「淳ちゃんは………」




あたしの頬を、大粒の涙が伝う。

こんな男の前で泣きたくないのに、涙が止まらなかった。

今までは泣いたりなんてしなかったのに。

新しい彼を探そうと思ったのに。

なのに、ピンチになると思い出してしまう。

淳ちゃんにとって、あたしは特別ではないということを。

淳ちゃんは別の女の人にぞっこんで、もう助けに来てくれないかもしれないということを。